今回は、全7回連載「子育ての究極目標「自立」を紐解いてみた」の第3回。
この記事では、子どもの自立のメカニズムと具体的な自立心を育てる方法について解説します。
- 子どもの自律・自立とは?
- 年齢別の子どもの自立度チェック
- 自立のメカニズムと自立心の育て方
子供の自立はどのような仕組みで起こるのか?
子どもに自立を促す具体的な方法論に入るまえに、どのようなメカニズムで子どもの自立が起こるのかを知っておきましょう。
前回の記事で、自立の段階を年齢や期間ごとに詳しく解説しました。
これをわかりやすく構造化するならば、日本の武道や芸術における師弟関係のひとつである「守破離」という考え方が適しています。
守:
- 愛着形成によって自立の土台をつくる。
- 身体的スキル・生活スキルを身につける。
- 親の価値観をトレースする。
破:
- これまでの価値観ややり方以外を学ぶ、経験する。
- 新しい挑戦を通じて、成功や失敗を経験する。
- その経験を通じて成長する。
離:
- 自分の価値観を確立する。
- 経済的スキル・社会的スキルを身につける。
- あらゆる側面で1人でも生きられる状態になる。
まずは親や周りの大人と信頼関係を築いたうえで、教えを守り人間としての型をつくります。
次に他の型をもつ人たちと触れたり、新しい経験をしたりして、自らの型を壊してつくってを繰り返します。
最後に自分オリジナルの型を完成させ、あらゆる側面(精神的、経済的、社会的など)で他者への依存なく生きられる状態になります。
このように子どもの自立は、守破離の段階で考えると構造を理解しやすいでしょう。
子供の自立心を育む具体的なアクションプラン7選+1
子どもの自立を促すというと「なんでも子どもに任せればいい」という印象を受けますが、
実際には、自立には上記のような流れがあるので、そのときに適切な刺激を与えてあげることが重要です。
では、いつ・どのような刺激を与えればいいのか、具体的なアクションプランを解説していきます。
0.今、子どもが自立の過程においてどの段階にいるかを知る
まずは、具体的に子どもが自立においてどの段階なのかを知ることが必要です。子どもの日々の活動を総合的に判断しましょう。
1.ふれあいや愛情表現によって親子の信頼関係を築く
乳幼児期においては、身体的スキルの発達をサポートしながら、親が子どもにとって信頼出来る存在であり、安全基地であることを知らせることが重要です。これが今後の自立の土台になります。
2.片付けやお手伝いを通じて生活スキルを身につける
3~5歳の未就学児期においては、基本的な生活スキルの獲得と身近な家族の手助けをする経験から小さな責任感を芽生えさせることが重要です。
3.友だち・恋人とのコミュニケーションスキルを身につける
小学生から高校生においては、友だちや恋人、親以外の大人と過ごす時間からコミュニケーションスキルや社会性を身につけることが重要です。
4.適切な挑戦をして、成功や失敗の経験を得る
小学生から中学生においては、適切な挑戦=子どもが責任を持てる範囲の挑戦をして成功や失敗から学びを得る経験をすることが重要です。
5.お金の稼ぎ方、使い方、貯め方、運用の仕方を学ぶ
小学生以降においては、経済的スキルの導入として段階的にお金の稼ぎ方、使い方、貯め方、運用の仕方を学ぶことが重要です。
6.集団の中でリーダーを経験する
中学生から高校生においては、集団でリーダーシップを発揮する経験をし、他者とのコミュニケーションスキルを深めることが重要です。
7.自らの価値観をもとに、進学や就職などの選択をする
高校生以降においては、自らの価値観をもとに進学や就職などの選択をすることが重要です。
まとめ
ここまでまとめてみて気がつきました。
子どもが自立するために親がしてあげられることって、小学生以降はあまりないということです。
むしろ、子どもの挑戦や友だち・恋人関係の邪魔をしないようにすることが最も重要なのかもしれません。
また、安心してこのような経験をできる環境を整えてあげることも、親として子どもの自立を促すことに繋がるでしょう。
次回は、子どもがなかなか自立できない原因とその対策を解説します。
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