子どもの自己肯定感が低い!高めるための子育てと教育

2024-08-05

最近は、「自己肯定感や自己効力感を高めるべきだ!」という発信を耳にすることが増えました。

そのため、自信がなさそうに振る舞う息子/娘を見ると、「うちの子は自己肯定感が低いのではないか?」と不安を感じる親御さんも多いようです。

自己肯定感を育てるために、たくさん褒めたり、ポジティブな言葉をかけたり、小さな成功体験を積み重ねたりと工夫をしているご家庭も多いでしょう。

この記事では、自己肯定感に対する正しい理解と子どもの自己肯定感の育て方について解説をします。

ぜひこれを機にお子さんとのコミュニケーションや関わり方を見直してみましょう。

そもそも自己肯定感とは?自己効力感との関係性を解説

自己肯定感と自己効力感は、どちらも子どもの心理的な健康や成長に重要な役割を果たしますが、異なる概念です。

自己肯定感とは、自分自身の価値や能力に対する全般的な評価や感情を指し、自己受容や自尊心、全体的な満足感を含みます。

一方で、自己効力感とは特定の状況やタスクにおいて、自分が成功できるという信念を意味します。

この2つは相互に関連しています。

例えば、自己効力感が高い子どもは成功体験を積むことで自己肯定感が高まり、自己肯定感が高い子どもは新しい挑戦に対してポジティブに取り組むことで自己効力感が向上します。

どちらも成功体験やポジティブなフィードバック、それらによる自信の強化を通じて育まれます。

つまり、自己肯定感と自己効力感は異なる概念ながらも、お互いに作用しながら高まるものなのです。

(記事内では、わかりやすさを優先するため、「自己肯定感」という言葉に「自己効力感」の意味合いも含めて表記します。)

なぜ日本の若者の自己肯定感は低いのか?統計調査データから解説

日本財団が日本、アメリカ、イギリス、韓国、インドの6カ国で各1000人の17~19歳の若者を対象に調査を実施した「18歳意識調査」では、自己肯定感に関係する設問の回答で、日本と諸外国において大きな差が見られました。

例えば、「他人から必要とされている」、「人に誇れる個性がある」という設問に肯定的に回答した日本人はそれぞれ56.8%、53.5%で、

諸外国では70~85%以上の人が肯定的な回答をしていることを鑑みると、顕著に低いと言えるでしょう。

その原因としては、成功体験やポジティブなフィードバックの欠如があげられます。

具体的には、厳しい受験競争や画一的な評価基準を持つ教育システムにより、個々の多様な才能が評価されにくく、自己評価が下がったり、

社会的プレッシャーや同調圧力も強く、自分らしさを表現しにくい環境であったり、

それによるいじめやコミュニケーション不足、精神的なストレス、ソーシャルメディアの影響を受けたりすることが、

自己肯定感を低下させる要因になっていると言われています。

つまり、日本では意識して自己肯定感を高めるような工夫をしなければ、文化や仕組みによって自己肯定感が下がっていってしまうということです。

あなたの子どもは大丈夫?自己肯定感チェックテスト

以下の設問に対して、1(全くそう思わない)から5(非常にそう思う)までの数字で答えて下さい。

  1. 自分のことが好きですか?
  2. 自分には良いところがたくさんあると思いますか?
  3. 自分がやりたいことや目標に向かって努力できると感じますか?
  4. 困難な状況でも自分を信じて前向きに取り組めると感じますか?
  5. 他の人と比べて、自分も価値があると感じますか?
  6. 失敗した時でも、自分を責めすぎずに前向きに考えられますか?
  7. 自分の意見や考えを他の人に伝えることができると感じますか?
  8. 新しいことに挑戦するのが好きですか?
  9. 自分の感情や気持ちを素直に表現できると感じますか?
  10. 自分の存在が他の人にとって大切だと思いますか?

上記10問の合計点によって、自己肯定感の高い・低いをかんたんにチェックすることができます。

  • 40-50点:高い自己肯定感。自分に自信を持ち、前向きに行動できるでしょう。
  • 30-39点:中程度の自己肯定感。自分にある程度の自信がありますが、さらに高めることができます。
  • 20-29点:低い自己肯定感。自信を持つことが難しい状況かもしれません。サポートが必要です。
  • 10-19点:非常に低い自己肯定感。自己評価が低く、サポートが強く求められます。

このチェックリストを用いることで、子どもの自己肯定感の状態を把握しやすくなります。

また、定期的にこのテストを行い、変化を追跡することで、自己肯定感を高めるための具体的なアプローチを検討することができます。

低い自己肯定感を上げるには?高めるために意識すべき親の関わり方

では、どのような接し方をすることで子どもの自己肯定感を高めることができるのでしょうか?

自己肯定感が高まるのは何歳までというような制限はないので、いつからでも・いつでもこれらの方法を用いて、子どもと接するように心がけましょう。

具体的な方法を以下に7つ紹介します。

ポジティブな声かけやフィードバックを与える。

子どもが達成した具体的な行動や努力を褒めることで、自己肯定感が高まります。

ポジティブなフィードバックは子どもの自信を育みます。具体的に褒めることで、子どもは自分の強みを理解しやすくなります。

例えば、「絵が上手だね」ではなく、「色使いが素晴らしいね」と具体的に褒めたり、努力や挑戦を評価し、「たくさん練習した成果だね」と声をかけたりすると良いでしょう。

自律を促し、自由と責任を与える。

子どもに選択肢を与え、自分で決める経験をさせることで、自律性が高まります。

自律性は自信と責任感を育み、自己肯定感の向上に寄与します。

例えば、宿題をする順番を子ども自身に決めさせたり、時間管理やタスク管理を任せたりしましょう。

感情の起伏を受け入れ、共感を示す。

子どもが感じていることを自由に表現できる環境を作り、感情を否定せずに愛情を持って受け入れます。

感情の受容は自己理解を深め、自己肯定感を高めます。また、共感することで安心感を与えます。

「今日はどんなことがあった?」と感情を話す機会を作ったり、感情に対して共感し、「それは大変だったね」と理解を示してあげましょう。

コーチング的なコミュニケーションを行う。

子どもの話をしっかりと聞き、関心を持っていることを示します。オープンな対話を持つことが重要です。

質の高いコミュニケーションは子どもとの信頼関係を深め、自己肯定感を高めます。

感情の共感と同じく、「今日はどんなことがあった?」と日常の出来事を聞き、子どもが話しやすい環境を作り、疑問や悩みを自由に話せるようにしましょう。

ロールモデルを見つける。

子どもが尊敬する大人や同世代のロールモデルを見つけ、モデルの成功や努力を学ぶ機会を作ります。

ロールモデルの存在は、目標達成の具体的なイメージを持たせ、自己肯定感を高めます。

親や教育者がポジティブな自己肯定感を持ち、その姿を見せたり、話を聞かせたりする機会を持つようにしましょう。

成功/失敗体験を得られる機会を提供する。

運動や芸術、学問など、さまざまな分野で挑戦する機会を積ませることが重要です。

多様な成功や失敗の体験は子どもの自信を育み、自己肯定感を高めます。

例えば、新しいことに挑戦する機会を提供し、結果問わず「良い経験ができたね!」と声かけをするようにしましょう。

目標設定から達成までを支援する。

子どもが目標を設定し、挑戦を積み重ねることで自己効力感が向上します。

小さな挑戦体験の積み重ねは、自己効力感を高め、さらなる挑戦への意欲を引き出します。

最初は短期的な目標を設定し、達成したら次の目標を設定し、段階的に進めるようにしましょう。

じぶんビジョンは目標への挑戦を通じ、子どもの自己肯定感を高める教育である

さて、ここまで子どもの自己肯定感についてさまざまな角度から解説をしてきました。

  • 自己肯定感と自己効力感は違う概念でありながら、互いに作用して高まること。
  • 日本の社会では、自己肯定感が育ちにくいので、意識的に高めるための行動が必要であること。
  • その行動として、上記の7つが上げられること。

これらを理解し行動に移すことで、子どもの自己肯定感を高めることが可能です。

ただし、ご家庭内で親子の関係でありながら、これらすべての役割を担うのはとても難しいものです。

教育の現場に12年以上かかわっているため、それは痛いほど理解しています。

じぶんビジョンでは、目標設定から達成、そのフィードバックまでを、ロールモデルになりうるコーチが子どもと対話をします。

つまり、じぶんビジョンには、子どもの自己肯定感を高めるすべての要素が詰まっているのです。

最後に、一例として自分に自信を持てなかった中学1年生の女の子の実例を挙げましょう。

彼女は、目標は達成しないといけないものという認識と心配性という特徴を持ち、保険をかけたがる傾向がありました。

そのため、最初は「期末テストで40~100位(上位20~50%)に入る」という目標を立てていました。

しかし、じぶんビジョンでコーチとの対話を通じ、目標は今の自分をより良くするためのものであると理解したことで、「期末テストで15位以内に入る」という高い目標を掲げ直しました。

そして、結果的には期末テストで20位(上位10%)を取ることができました。

また、今回の挑戦を通じて、もっと自分には可能性があるのではないか、その可能性を探究してみたいと思うようになり、次はもっと高い目標を設定したいと口にするようになりました。

つまり、じぶんビジョンでの目標への挑戦という体験とロールモデルであるコーチとの対話によって、自己肯定感が高まったと言えるでしょう。

まとめ

人は生まれたときから自己肯定感を備えています。

だから、幼い頃は何にでもなれると思っていたわけです。

むしろ、全くもってなれないなんて思わないわけです。

しかし、データが示すように、日本の社会において子どもが自己肯定感を保つことはとても難しいです。

だからこそ親子のコミュニケーションや教育における工夫が重要なのです。

じぶんビジョンでは、目標への挑戦を通じて、自己肯定感を高めることが可能です。

先ほど例に挙げた子のように、自分の可能性を信じたいと思い続けられるような人を増やしていけるように、私たちも進化し続けます。

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