無料説明会で親御さんとお話をさせていただくときには、
子どものスポーツや受験の結果をどの程度重視するか?
という趣旨の質問を必ずさせていただいています。
最近は、教育における勝利至上主義(結果至上主義)の問題点が語られたり、選択肢の多様性が生まれてきたりしたことで、
うちの子には絶対にこれで結果を出してもらわなきゃ困る!
という考え方のご家庭は減ってきましたが、ご家庭としての負担も大きい本格的なジュニアスポーツや中学受験であれば、
それなりの結果は出してくれたら嬉しい!
という気持ちは多少なりとも持っているのが、正直なところでしょう。
この記事では、子どもの教育における勝利至上主義について、書きたいと思います。
親として、子どもが出した結果をどのように捉えて、フィードバックすべきなのか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
子ども向け目標達成プログラム「じぶんビジョン」における結果の捉え方とは?
じぶんビジョンのホームページやSNSでは、子どもたちが目標を目指して頑張った結果を掲載しています。
そのため、「うちもじぶんビジョンを取り入れれば、結果を出せるんだ!!」と、結果を最優先されるご家庭からお申し込みを頂くケースも増えてきました。
しかし、じぶんビジョンは目標(結果)を追い求める過程で得られる学びを最優先するため、結果を出すことはお約束出来ません。
むしろ、最終的には目標(結果)を追い求めれば追い求めるほど、結果を重視するという姿勢がベターではないことに気づけると考えています。
つまり、目標設定は大切だけど、それによって得られた結果はただの取り組みに対するフィードバックのひとつでしかないと言うことです。
そして、目標として設定した結果を追い求める過程で、「努力しても結果が出るとは限らないが、努力をすれば必ず成長する」ということを学び、
結果を出すためには、「自分がコントロールできる努力と成長とサイクルを回し続ける」ことが重要であることを学ぶのです。
このようにじぶんビジョンでは、子どもが心の底から「こうなりたい!(結果)」を追い求める過程をコーチが伴走することで、人生にいきる学びを丁寧に拾い上げることを大切にしているのです。
子どもの教育における勝利至上主義のメリット・デメリット
ここまではじぶんビジョンにおける結果の捉え方を書いてきましたが、ここからはなるべくフラットに勝利至上主義について考えてみようと思います。
近年は、部活動やスポーツ指導の場で勝利至上主義から脱却しようという事例が多いですが、
どんなものごとも必ず良い面と悪い面が表裏一体になっているので、メリット・デメリットを見ようとする姿勢がとても重要です。
子どもの教育における勝利至上主義のメリット
まず勝利至上主義のメリットを考えてみましょう。
それは「教育の評価軸が強く明確になること」です。結果という目に見えるものが評価の軸になるため、非常にパワフルです。
勝つことが正義であるという価値観なので、子どもも常に勝つためにどうすれば良いかを考えれば良いため、
今なにをどのくらい頑張れば良いのかがわかりやすくなります。
近年の多様性を大切にする空気感によって、「で、結局なにをしたらいいんだろう…」と迷子になっている子どもであっても、わかりやすい評価軸を得ることで一貫性のある努力がしやすくなるでしょう。
子どもの教育における勝利至上主義のデメリット
一方で、勝利至上主義のデメリットを考えてみましょう。
それは、「評価軸が固定され、場合によっては加熱しすぎること」です。
多様性が高まるこの時代において、子どもの評価軸が1つに固定される(他の評価軸が見えにくくなる)ことは大きなデメリットです。
指導者や親が適切な倫理観を持たない場合には、体罰など事件に繋がる可能性もあります。
また、選手への悪影響も強く、反則をしてでも結果を出さなくてはいけないという歪んだ価値観を醸成してしまう可能性もあります。
最悪の場合、勝つことがすべてという評価軸しか知らない、そのためには何でもするという子どもに育ってしまうのです。
これからの時代、勝利至上主義は教育的にどう評価されるべきか?
では、このメリット・デメリットを鑑みて、これからの時代の教育において勝利至上主義はどのように評価されるべきなのでしょうか?
結論からいえば、勝利至上主義はこれからの時代には合わないと言えるでしょう。
というよりは、1つの評価軸に固定するような教育は合わないと言った方が正しいでしょう。
この世には自分の知らない無数の評価軸が存在し、その時代によって優先される評価軸が変化してきました。
例えば、遥か昔に狩猟をしていた時代は、身体の強さや狩りの上手さが優先される評価軸だったでしょうし、
国として機能しはじめた時代は、リーダーとして人々をまとめるカリスマ性が優先される評価軸だったでしょうし、
やればやるほど経済が伸びていたバブル時代には、「24時間戦えますか?」が優先される評価軸だったでしょう。
これから始まる時代は「正解のない時代」です。
多様性が高まり、用意されたどの評価軸を優先してもモヤモヤが残る、そんな時代なのです。
そのような時代において、評価軸としてパワーの強い(偏りが強く出る)勝利至上主義は、ミスマッチだということは明白な事実なのです。
勝利至上主義の解決策!自律至上主義のすすめ
では、そのような正解のない時代を生きる子どもたちに、どのような指針のもとに関わり合いを持てば良いのでしょうか?
正解のない時代を生きるというのは、とても難しいものです。
勉強や仕事を一生懸命頑張って結果を出しても、
プライベートでの家族や趣味の時間を大切にしても、
競技スポーツに打ち込んで結果を出しても、
なにをしても常に少しのモヤモヤと戦うことになるのです。
なぜなら、マジョリティの評価軸が、この世に存在しないからです。
だから、自分なりの正解を決めること、そしてその評価軸を基準として努力と成長を繰り返すことが大切になります。
言うなれば、これからの時代は「自律至上主義」なのです。
じぶんビジョンのゴールは、「じぶんの人生は、じぶんでつくる」です。
自分なりの目的・目標を定め、そこから逆算して計画を立て、それに沿って努力を積み重ねる。
正解のない時代だからこそ、じぶんで正解をつくれるように。
そして、その正解を成し遂げられるように。
そんな教育がこれからの時代には求められるのです。
まとめ
さて、最後は少し勝利至上主義からズレてしまいましたが、最後に結果の捉え方についてまとめます。
大前提として、教育における結果は親子にとって、なによりの薬です。
結果が出ることによって、これまでの過程がすべて肯定されたような雰囲気が生まれます。
これを否定する必要はありません。
ただし、この強力な薬に振り回されないように気をつけましょうということです。
結果はどこまでいってもコントロール出来ません。
コントロールできないものをコントロールしようとすれば、必ず歪みが生まれます。
そして、これからの時代は正解がないからこそ、この歪みが大きな落とし穴になるのです。
これからの時代を生きる子どもには、これからの時代を生きるための教育を与えたい。
そのためにじぶんビジョンも進化し続けます。
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