クリスマスも終わり、ガラっと年末年始に向けて方向転換している世の中に向けて、
「新年目標達成計画」という微妙なネーミングの全3回+付録1回の連載をはじめます。
年末年始は、新年の抱負と言われるように、年が変わるのに合わせて新たな1年間の目標設定をするにはうってつけの時期です。
これまでもジャーナルで述べてきたように、小学生・中学生・高校生あらゆる年代の子供において、目標を立て、それに挑むことは成長の過程でとても重要なことです。
そこで、この連載では2024年の目標の立て方からそれを達成できる人になるための方法までをまとめて解説します。
また、その過程で使える目標設定のワークシートや目標例などの情報も付録として公開します。
この記事では、第1回として子供でもできる目標設定のやり方について解説します。
目標がない子や明確になっていない子でも、正しい目標の立て方ができるようになるでしょう。
そもそも目標とは?子供に身に着けてほしい「目標設定能力」
そもそも、お子さんに「目標ってなに?」って聞かれたら、あなたはどう答えますか?
「今やっていること(勉強やスポーツ)で目指したいゴールのことだよ。」
こう伝えるのが最もシンプルで分かりやすいと思います。
しかし、ここでお子さんはあなたに致命的な一言を与えるでしょう。
「特に目指しているゴールなんてないんだけど…」
「…」
ここから先に待っているのは修羅の道なので、あえて触れません。(笑)
そうなんです。ほどんどの子どもはそもそも目標ドリブンで動いてなんていないのです。
好きだからとか、楽しいからとか、かっこいいからとか、かわいいからとか、友だちがやっているから、やっているだけなのです。
本当は、これでいいんです。
しかし、冒頭でも述べたように、目標や目的を持って物事に取り組むというのは、本当に多くの学びと成長の機会を与えてくれます。
だから、目標というのはその「学び」を得るためにあえて立てるものであることを理解しましょう。
つまり、目標というのは元から存在するものではなく、つくるものだということです。
この前提を理解しておくと、「うちの子供は目標がない!」と悲観的になる必要はないことがわかるでしょう。
目標はつくる(たてる)もの。
だから、目標設定をする能力をつける必要があるのです。
目標を立てる前に知っておくべき「正しい目標設定」とは?
早く本題に入らない僕の悪い癖が出ていますが、もう少しお付き合いください。
子どもに目標を尋ねると、ほとんどの場合「正しくない目標」が出てきます。
もちろん、子供に対してそんな言い方はしませんが、それを「正しい目標」へと軌道修正します。
正しい目標とは、一言でいえば「目的につながる目標」です。
それを要素分解するとしたら、
- 現実的である
- 具体的である
- 期限が決まっている
- 達成条件が可視化できる
- (目的がある)
となります。
目的とは、目標を達成することで得られる最終的なゴールです。
「どんな風に生きたいか?」の問いの答えが目的であり、
目標は目的の一部を実現するための手段になります。
例えば…と具体例につなげたいのですが、それをすると超大作になりそうなので、
ひとまず目的を果たすことにつながるひとつのマイルストーンとして機能するのが正しい目標であり、
そのためには先に挙げた4つの項目をクリアする必要があるということです。
子供でもできる新年の目標の立て方とは?
では、どうすれば正しい目標を立てられるのか、その方法を解説していきます。
ここでは、わかりやすいように「僕(高田)が子供と2024年の目標を立てるなら…」という前提でお話を進めます。
1. 今やっていることを整理し、目標になりうることを探す。
絶対にやってはいけないのは、いきなり「あなたの今年の目標はなんですか?」と切り込むことです。
これをするとどうなるかは冒頭に述べたとおりです。1発でKOされてしまいます。
まずは子供と今やっていることを整理します。
例えば、「塾に週3回、スイミング・英会話・ピアノ・テニスに週1回通っている。」としましょう。
次に、それぞれの習い事を2024年はどうしたいかを確認しましょう。
「2024年は、テニスが楽しいからもう少し回数を増やして、スイミングとピアノを卒業したい。」と答えた場合、
この子の2024年の目標はテニスでなにかしら立てやすそうだと目途がたつでしょう。
(「特にこのままでいい」と答えた場合は、特に重み付けをせずに次に進みます。)
2. 目標例を挙げながら、琴線に触れるものをみつける。
次に、今やっていることに対して立てられる目標を、重み付けしたことを中心にいくつか例を挙げて説明します。
例えばテニスだと「〇クラスに上がりたい!」、「○○君に勝ちたい!」、「〇〇大会で優勝したい!」、「ランキングを〇位以上にしたい!」とか目標が立てられるよねと提案します。
そのうえで「テニスに力を入れたいって言っていたけど、なにか達成したいことがあるの?」と問います。
すると、ある程度列挙した目標に沿った形で目標を挙げてくれます。
「ひとつ上のクラスにいる○○君には勝てるようになりたい!」
これを先ほど挙げた「正しい目標」に必須の項目を満たすように整えていきます。
- 現実的である(実際に見える範囲にいる○○君なら勝つイメージができる)
- 具体的である(ひとつ上のクラスにいる○○君に勝つ=とても具体的)
- 期限が決まっている(2024年12月31日)
- 達成条件が可視化できる(○○君に勝ったかどうか)
- (目的がある)
「2024年12月31日までに、ひとつ上のクラスの○○君に勝つ!」
これでほぼほぼ目標として機能するでしょう。
3. 目標を確定し、目的を確認する。
最後に、「2024年12月31日までに、ひとつ上のクラスの○○君に勝つ!」という目標を達成する目的を明らかにします
具体的には、「なぜ○○君に勝ちたいの?」、「○○君に勝ってどうしたいの?」と問います。
ここで注意です!この問いの答えは玉石混交です!
「あいつ調子乗ってるから」、「なんかうざいから」という石がたくさん混ざって飛んでくるので、華麗に避けます。
これを問い続けることで目的がでてきます。
「○○君に勝てばスクールのなかで1番になれるから」=「1番になること」が目的
「○○君に勝てたらすごいってコーチが言っていたから」=「コーチに認められること」が目的
「○○君に勝ったら上手になったと思えるから」=「テニスを上手になったと思えること」が目的
最後に、じゃあ「2024年内に○○君に勝つことで、1番になりたいってことであってる?」と問います。
もし少しニュアンスが違うようであれば微調整し、目標と目的が子どもの認識と合っていれば目標設定は完了です。
まとめ
ここまで記事を書いてみて、ふと思いました。
これを本当の親子が1時間超かけてやるのって、めちゃくちゃ難しくね!?
じぶんビジョンでは、当たり前のようにこのようなやりとりをして子どもたちと目標設定をしていますが、
新年早々、家でこれらを親御さんにやってもらうのは正直気が引けます…。
それくらい子どもに目標を立てさせるのは、とても大変なことなのです。
でも、その苦労をしてもいいくらい目標達成に挑戦することは教育的価値があるのです。
僕はこの連載をはじめてしまったので、ひとまず最後まで書ききります。(笑)
次回は、新年に立てた目標の達成率から目標を達成できる子とできない子の特徴を紹介したいと思います。
ぜひこのシリーズを最後まで読んでいってください!
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