今回は、全6回「中学受験で慶應湘南藤沢中等部(SFC)に合格した教育者の教育論(略して、中学受験教育論)」の連載の第3回。(最初に第1回を読んで下さい!)
この記事では、中学受験をするなら守るべき4箇条の2つ目を解説していきます。
- 中学受験を諦める力を持て!
- 中学受験は難しすぎることを理解しろ!
現実、中学受験の勉強は大半の子供にとっては難しい!
結論をタイトルから述べてしまっていますが、中学受験の勉強はほとんどの小学生にとっては難しいものです。
なにが難しいのかというと、内容はもちろんですが、なによりも量が小学生対象のそれとは思えないほど多いことです。
だから、「知識や解法をインプットして、定着させ、それをチェックする。また、定着しないところを先生に質問する」というサイクルを自力で回すことが難しいのです。
僕がじぶんビジョンで伴走をしている子たちで、塾に通っているもののイマイチ成果が出ていなかった子たちの大半は、
大量の授業内容と家庭学習に流されているだけ
という状態でした。
つまり、毎週塾に通ってはいるものの、なにも得ていない状況だったということです。
僕は、大手塾のトップクラスの生徒以外は、このような状況なのではないかと推測しています。
では、どうすればこのような難しい中学受験を普通の子が乗り越えることができるのでしょうか?
中学受験は親の受験である。親の役割とは?
ここで出てくるのが、親の役割というお話です。
中学受験は親の受験である。
この言葉、じぶんビジョンをはじめるまでは疑念を抱いていました。
勉強するのは子どもなんだから、親は塾に通わせて、家で勉強させて、模試や志望校の文化祭に連れていってあげればよいだけでしょ?
と思っていました。
でも、現代において、この「だけ」がとても難しいんです!
僕が中学受験をしたとき、母親は専業主婦で家で勉強をしやすい環境を整えてくれて、父親はほぼ必ず土日休みで車を出してくれて、塾は近くの個人経営の小さな塾で親身にみてもらって…と、
すべての条件を揃えてもらっていました。だから、いわゆる難関校に合格することが出来ました。
でも、今の時代どうでしょう?
共働きで毎日の子どもの勉強チェックができるでしょうか?
塾や受験の情報を集める時間と情熱が残っているでしょうか?
唯一の休みを子どものためだけに費やせるでしょうか?
だから、僕はこの連載の第1回で中学受験をしていいお子さん・ご家庭として、以下の条件を挙げたのです。
- 大量かつ高難易度の勉強についていける子
- 家庭学習(自学自習)を管理出来るご家庭
- 中学受験に時間とお金をかけられるご家庭
中学受験は親の受験でありながら、親がそこまでコミット出来る時代ではない。
では、このような時代にどうすれば中学受験を有意義なものにすることができるのでしょうか?
中学受験は難しいからこそ意味がある!
正直、親が上記の条件を整えられないなら、中学受験はすべきではありません。
なぜなら、小学生という貴重な時間とお金を費やして、なにも得られないという最悪の状況になりうるからです。
しかし、現実として受験者数は年々増加していっています。(2024年で頭打ちという仮説もありますが。)
もちろん、中学受験をして中高一貫校に入ることで安心を得たい、より子どもにより良い教育を与えて幅広い選択肢を持たせたいと考える親心はとてもよくわかります。
だからこそ、折衷案というか、環境が整っていない中でも、中学受験を通じて結果以上に得るものがあるという状況をつくれればベターなのではないかと思うのです。
その手段として、じぶんビジョンが存在し、選ばれているのです。
僕が中学受験を通じて、自身の持つストイックさ(継続力)に磨きをかけ、武器だと認識できたのも、親や塾の先生方に丁寧な受験をさせてもらったからです。
きっと大量の勉強に流されているだけでは、結果は得られても、人生に繋がる学びを得ることはできなかったでしょう。
中学受験は難しいからこそ、それを丁寧に扱えば得られるものがあるのです。
まとめ
語弊を恐れずに言いますが、中学受験は万人のためのものではありません。
中学受験は数少ない子どもやご家庭が選べるオプションです。
それが大手塾によって裾野を広げ、大衆化してきたことで、誰もが検討できるものに変わりつつあります。
それによって、子どもが没頭しているスポーツやアートの分野での活動を中断し、受験に舵を切るご家庭が増えています。
ただ、この現状を嘆いているだけでは、子どもの教育を変えることはできません。
だから、じぶんビジョンがあるんです。
中学受験を通じて人生にいきる学びを得た僕がつくった教育だからこそ、
子どもたちに残せるものがあるのです。
次回は、中学受験をするならば守るべき4箇条の3つ目、「偏差値の意味を子どもに正しく教えろ!」を解説します。
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