今回は、全7回連載「子育ての究極目標「自立」を紐解いてみた」の第6回。
この記事では、子育てを終えた(筆者の)母親にあらためて「子どもの自立」について聞いてきたので、そのお話をまとめたいと思います。
- 子どもの自律・自立とは?
- 年齢別の子どもの自立度チェック
- 自立のメカニズムと自立心の育て方
- 自立出来ない子どもの対処法
- 子供の自立心を育てるコミュニケーションとは?
- 子育てを終えた母親が語る「子どもの自立」
ー 子どもの自立について語る親子のプロフィール
まず、内容に入るまえに、登場人物の前提情報を共有しておきます。
- 母
短大卒業後、OLとして働き、その後結婚。27歳で姉、32歳で弟を出産し、専業主婦になる。 - 父
医大卒業後、医師として働く。 - 姉
中学受験で慶應義塾湘南藤沢中等部(SFC)に入学し、慶應義塾大学を卒業後、某信託銀行に入社し結婚。それを機に転職し、業務に取り組む。 - 弟(筆者)
中学受験で慶應義塾湘南藤沢中等部(SFC)に入学し、慶應義塾大学在学中に起業し、ジュニアテニスのコーチ、13歳から通っていた神奈川県最大級のテニスクラブの経営者を経験した後に結婚。現在は、子ども向け目標達成プログラム「じぶんビジョン」を運営する。
ここからはQ&Aの方式で筆者と母のやり取りを掲載します。
ー そもそも子どもの自立について、いつから意識していたの?
これは生まれる前から考えていたね。姉がお腹にいるときから本を読み漁って、じぶんで考えてじぶんで決められるような子どもになるためにはどう育てれば良いのかをインプットしていたんだよね。
そもそも自分があまりそういうことが得意ではなかったから、絶対に子どもたちには自立心をつけてもらいたいと思っていたかな。
父ももとからそのような考え方をしている人で、親が2人とも同じ方向に向かっていけたのも大きかったかな。
ー 本を読んで、子どもの自立を促すためにはなにが大切だと学んだの?
それは、親が子どもに対して信頼できる安全基地であり、常に子どもが自分で考えて自分で決めるための手助けをすることかな。
「三つ子の魂百まで」とも言うけど、まずは0歳の生まれたときから3歳くらいまでが大切ってこと。
この時期にはいつでも対応してあげて、ふれあいとか、表情とか、言葉かけとか、手助けとかによって、どんなことがあっても安心できる信頼関係「安全基地」をつくることが重要。
これができて初めて子どもが外に向けてチャレンジできるようになるからね。
むしろ、これさえできていれば、あとは親として子どもの挑戦を見守るだけっていう認識だった。
ー 実際に2人(姉弟)を育ててみて、それは実行できた?
考え方としては、両親ともこのベースからブレることはなかったかな。
ただ、具体的な行動としては出来たり出来なかったりって感じだったと思うよ。
全然まっすぐな道のりではなくて、進んでいるのか戻っているのかわからないような不安は常にあったよね。
だから、そんなときには本を読んで何度でも方向修正していった感じ。
もちろん、前提として姉も弟もあまり手がかからないタイプではあったけど、
親も人間だし、弱いところはあるから、つい反射的に感情が出てしまったり、それが言動に出てしまったりすることはあった。
だけど、その都度悪いことをしたなと思いながら、きちんと謝って、これからどうするかを前向きに話しはしていたよね。
正直、間違えない親も子どももいないから、完璧を目指すというよりも、間違ったら修正、間違ったら修正…が大切だと思う。
ー 受験塾とかで子育ての講演する機会もあったけど、どんなことで躓いている親が多いの?
印象深いのは、さっきみたいな話(子どもの自立に必要なこと)をしたときに、
子どもが小さい頃(0~3歳)に充分に愛情を注いであげられていなかったから、今もうちの子は自立できていないんだ…
と、自分を責めてその場で泣き出してしまうお母さんがいたことかな。
この人には、さっき話したみたいに子育てはいつからでもやり直せるから、
子どもが理解出来るかどうかは別として、これまでの子育てのやり方について間違っていたかもしれないと謝って、
今から変えていくことを約束するようにアドバイスはしたかな。
あとはあるあるだけど自分自身がバリキャリで優秀な親御さんが、子どもをレールにのせるためにとにかく管理して、親の価値観で進学先や就職先を決めるみたいなケースかな。
このケースは、受験の結果に限らず、その後の親子関係をみてもかなり残念な例が多いように感じるかな。
ー 子育てを経験して、あらためて子どもの自立のために親が出来ることってなんだと思う?
これは一部さっきの話の繰り返しになってしまうけど、
- 親は、絶対的な子どもの安全基地であること。
- 親は、余計な口出し手出しはせずに、子どもの決断を目と心で見守ること。
- 親は、それができる外部環境を整えること。
だと思う。
1・2番目は、育てる前から持っていた考え方と同じだね。
3番目は、育ててみて感じたこと。
子どもを育てるのは親だけではなくて、周りの友だちやおとなとの関係であり、その関係性のきっかけを与えるのも親の仕事ってこと。
例えば、姉も弟も中学受験をしたけど、その塾選びにはとても時間を割いたね。
当時は日能研が全盛期でその下に四谷大塚やサピックスがあったけど、うちは姉も弟も大手塾ではない中小規模の塾を選んだ。
その理由は、中学受験のプロセスをすべてお任せできる先生がいたから。
その人たちに預けることで、家で親が口出し手出ししないで済むから、家での心理的安全性を保つことができたって感じだよね。
もちろん、完璧にそれが出来たかって言えばそんなことはないけどね。笑
だから、子どもが習い事をしはじめるくらいの年齢になったら、
親は自分や子どもが信頼できる人や環境を整えるために、
きちんと調べて、足を運んでと投資することがとても大切だね。
むしろ、大きくなってくると子どもの自立にむけてはそれくらいしか出来ることがなくて、
信頼できる大人に任せる機会が多くなっていくから、
子どもが大きくなるにつれて、年々子育てが楽になっていた印象かな。
まとめ
さて、子どもの自立について、子育てを終えた母親に聞いてみようの回でした。
親がしきりに言っていたのは、
いつからでも子育てはやり直せる
ということです。
このまま手出し、口出しし続けては、子どもの将来のためにならないと気づきながらも、
今、手を離してしまったら子どもがなにをしていいかわからず困ってしまうからと、
手や口を出し続けてしまい、さらに子どもはじぶんで考えられなくなる…。
このループから抜け出すには、親がこれまでのやり方を変えると決断するしかありません。
もちろん、自力で出来ればそれに越したことはありませんが、じぶんビジョンはそのきっかけになることが出来ます。
次回がこの連載の最終回、じぶんビジョンが子どもの自立に与える効果について解説します。
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